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今でもNESのゲームを作っている人はけして少なくありませんが、コンスタントに作品を出しているとなるとそう多くはありません。ここではそのひとりであるゲーム作家、ケビン・ハンリー率いるケーハン・ゲームス(K-Han Games)の作品をまとめてみました。

ハンリー氏が最初に出したゲームは2009年作の「アルティメット・フロッガー・チャンピオン」(Ultimate Frogger Champion)でした。



元になったのはもちろんあのアーケードの名作なのですが、いくつか新しい要素も取り入れられています。特に「バトルフロッグス」と名付けられた2プレイヤーモードは好評でした。

2010年に出した「スニークン・ピーク」(Sneak'n Peek)は、アタリVCSの移植版です。



要はかくれんぼをゲームに仕立てたものなのですが、率直にいってどう受け止めていいのか困るような作品でした。もっともハンリー氏はこのゲームに思い入れがあるようで、今回のリメイクとなりました。

続いて2011年発表の「8ビット・クリスマス」(8-bit XMAS 2012)があります。


名前からてっきりクリスマスがテーマの作品かと思ってしまいますが、実際には空中戦のゲームです。インテレビジョンの「バイプレーン」(Biplane)が元だそうです。

2013年はオリジナル作の「スタディ・ホール」(Study Hall)が発表されました。


小学生がもうすぐやってくる春休みを待ち焦がれながら、学校の先生や職員が繰り出す妨害をやりすごすゲームだそうです。内容としてはドンキーコングJr.に似ているらしいのですが、ハンリー氏自身はJr.をプレイしたことはないのだとか。

また作中のサウンドトラックとして、シンプル・マインズやピーター・ゲイブリエルなど80年代洋楽のヒット曲が8ビットアレンジで再現されています。

2014年に出たのが「ラリー・アンド・ザ・ロング・ルック」(Larry and the Long Look for a Luscious Lover)でした。



これはシエラの有名なアドベンチャーゲーム、「レジャー・スーツ・ラリー」をNESで再現したものです。

残念ながらアドベンチャーゲームというジャンルは家庭用ゲーム機とは相性が悪いようで、日本のファミコンでもそうでしたが、NESでもごく少数が発表されたにとどまっています。同じシエラの作品ではかつて「キングス・クエスト5」がNESに移植されていますが、出来の面ではかなり厳しいものでした。

もっとも、このNES版はさすがに後発だけあって、いろいろ工夫がなされており、高く評価されました。そもそも、内容的にNESが現役だった頃なら絶対に実現しないものだけに、いささか遅くなったとはいえ移植が実現しただけでも喜ぶべきことでしょう。

同じ2014年に発表されたものはもうひとつありました。有名なアタリの「E.T.」です。


世紀の駄作として有名ですが、ハンリー氏にしてみればきちんと評価されていない作品とのことです。

2015年には「ジ・インシデント」が出ています。これが現時点での最新作になります。


パズルゲームにストーリー要素を組み合わせた意欲的な作品でした。

そして2016年には「4イン1・レトロ・ゲームパック」(4-in-1 Retro Gamepak)が発表されました。



旧作である「アルティメット・フロッガー・チャンピオン」「スニークン・ピーク」「E.T.」に未発表の釣りゲームを組み合わせたもので、入手困難だった作品が新たに入手できるようになりました。また収録作はバグが修正されているほか、いろいろと手を入れてあるそうです。

どれもカートリッジのみの発売ということで、プレイには実機が必要になるためいささか敷居の高いものではありますが、機会があれば試されてみてはいかがでしょうか。

なお作品のうち、在庫のあるものは「ジ・インシデント」と「4イン1・レトロ・ゲームパック」のみのようですが、以下の公式サイトの販売ページから注文できます。海外発送にも応じてくれるとのことですが、日本に関しては不明なので、まずは問い合わせされることをお勧めします。

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