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先週のことですが、「ビデオ・ゲーム・レスキュー」というニュースサイトが、RetroN 5の製造元であるHyperkin社の広報担当者、デイビッド氏とのインタビューを公表しました。


インタビューはネット経由で行われ、サイトの管理者のほか、ユーザーから寄せられた質問にも答えてもらったとのことです。興味深い質問も多く、Hyperkin側の最新の見解を伝える、貴重なものといえるでしょう。

なおこのデイビッド氏、苗字が元記事には出ていないのですが、このサイトでもインタビューを取り上げたことのあるデイビッド・ユー(David Yu)さんのことと思われます。


発売は10月中旬以降に

ではさっそくインタビューの内容に入りますが、やはり気になるのはRetroN 5の発売時期です。これまでの発表では「夏の終わり」となっていましたが、やはりどうもそれには間に合いそうにない見通しのようです。

現在RetroN 5は開発の仕上げ段階にあり、テストや調整を繰り返しているところだそうです。問題は、それがいつ終わるのかHyperkin側でも分からないことで、それがまた明確な発売時期を公表しない理由にもなっているのだとか。

従来の公式見解である「夏の終わり」という時期も、今のところは取り消したわけではないが、慎重に考えると、10月中旬というのがより現実的ではないか、というのが氏の回答でした。

まあ、今の時点で発売時期を言明できないのですから、少なくとも9月中はないと見てよさそうです。

さらに、遅れているもうひとつの理由として、筐体などのデザインに変更を加える必要が生じており、その作業にも時間を取られているとの説明がありました。これまで公開されてきた筐体はあくまで試作品であり、製品版はまたデザインが変わるそうなのですが、変更の理由までは明かされていません。この変更については、改めて公式に発表するとのことです。

結局は延期じゃないか、とは思うのですが、ここに至って外装まで変えるというのは結構思い切った決断ですし、それなりの事情があったのではと推察します。


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セガ・ジェネシスのパワーベース・コンバータへの対応は望み薄

サイトの読者から多かった質問に、RetroN 5はセガ・ジェネシスのパワーベース・コンバータに対応しているのか、というものがありました。これはジェネシスを同じセガのマスターシステム互換にするための外部機器です。

これに対するデイビッド氏の答えは、検討はしてみるが難しいとのことでした。RetroN 5とオリジナルのジェネシスとはハードウェアの仕様がかなり異なるため、対応は簡単ではないそうです。

とはいえ、このコンバータに対応できれば、対応できるゲーム機が1つ増えることになり、大きなセールスポイントになることはHyperkin側でももちろん認識しています。ということで、望み薄ではあるものの、可能性はゼロではなさそうです。

また、ファミコンのディスクシステムについても、解答はなかったのですが、同様に検討はされているものと思われます。(ただし、実現するとしても早期の対応はまずムリでしょう)


その他の質問

RetroN 5にはUSB端子が備わっていますが、その用途はいったい何なのでしょうか。また、USB経由でゲームのROMイメージは使えるか、という質問もありました。

まず最初の質問については、ゲームのセーブデータを格納することと、本体のファームウェアのアップデートが発生した場合に用いるそうです。またHyperkinではオンラインのフォーラムを開設する予定で、そこでユーザーからの質問にも対応するとのこと。たとえばRetroN 5で動作しないゲームが見つかった場合、フォーラムで報告してもらえれば、大いに助かるそうです。

ビデオ出力については、HDMIが唯一のもので、それ以外の規格には対応しないとのこと。また、HDMI端子の信号はデジタルになる予定だそうです。

スキャンラインはオプションでの対応となります。具体的には、スキャンラインを表示するフィルタを1つ選択できるようになっているとのこと。ただし、1つだけでなく、複数のスキャンラインを選択できるようにしてほしいとの要望が多く寄せられているそうなので、今後のファームウェアのアップデートで対応されるかもしれません。

他に多かった問い合わせが、本体付属のコントローラのボタン設定だそうで、これはまったく自由に変更が可能だとのことです。またマクロによる設定にも対応する予定です。

またチート機能も本体に組み込まれるとのこと。ただし、ユーザーが自分で設定することはできず、提供されているものから選ぶという形になりそうです。

ネット対戦などのオンライン対応ですが、何度も検討されてはいるものの、法的な問題から、そのようなサービスは難しいとのこと。実現するとしても、かなり先のことでしょう。またゲームプレイ動画の保存機能も、現状ではムリだそうです。

Flashカードリッジなど自作のカートリッジについては、オリジナルの規格に準拠しているのであれば、RetroN 5でも動作するはず。ただし、当たり前のことではありますが、そうした自作品については動作はいっさい保障されず、後からの対応も期待はできません。そもそも、このあたりの質問は法的にかなり危ういので、Hyperkin側としてはなるべく避けたいところでしょう。

本体のオーバーヒートについては、Hyperkin側もいろいろと負荷実験を行っているそうです。あまり本体が熱を持つようだと、カートリッジに影響が出るおそれがあるため、慎重にならざるを得ないでしょう。本体の内部に冷却ファンを設置する方法もある、という提案に対して、デイビッド氏はその可能性を否定しなかったそうなので、もしかするとファンが内蔵されるかもしれません。

あとは発売の時期や地域、価格についての質問で、これらは従来の見解と変わりませんでした。今年夏(実際には10月中旬以降ですが)にアメリカで発売され、価格は100ドル以下、ということです。

発売地域についてはヨーロッパや南米、アジアももちろん検討しているそうなので、アメリカで発売されれば、そう遠くないうちに他の地域でも販売されるようになるでしょう。(もっとも、元記事にはない情報ですが、すでにヨーロッパでは代理店が決まっているそうなので、アメリカに続いて発売されるはずです)


Hyperkin Representative Gives Updated Details About RetroN 5 Via Interview With Video Game Rescue Last Night - Video Game Rescue

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