engad1

今年6月に開催されたE3での、Hyperkin社のブースのレポート、4つ目をお送りします。今になって気付いたのですが、engadgetでもRetroN 5を取り上げた記事がありましたので、以下に要約してみました。

* * *

最新ゲームが立ち並ぶE3において、唯一、過去を向いていた出展者がHyperkin社だった。そこでわれわれが見たのが、同社の最新機種、RetroN 5だった。9種類のゲーム機と互換性を持ち、しかも単にゲームが動くというだけでなく、保存や改造コード、画面フィルターといった機能を備えているのだ。

大半のゲーム互換機は、元機種を1チップにまとめたものを使っている。いわゆるハードウェアによるエミュレーションだが、これだとどうしても一部に動かないゲームが出てきてしまう。また、チップであるために後にシステムをアップデートすることもできない。

てっきりHyperkin社の新型もそういうものだと思っていたのだが、実物が動作しているのを目の当たりにして、われわれは大いに驚いてしまった。実に鮮明なメニューが画面に表示されており、画面のアスペクト比やフィルター、改造コードの入力など、数々の機能が使えることが分かったからだ。

メニュー画面を見て、ほどなくして分かったのは、どうやらRetroN 5は高度に改造されたAndroid ROMを積んでいるらしいということだった(ブースにいた社員にこのことを聞いてみたが、肯定も否定もされなかった)。

engad2
このことの利点は明らかである。つまり、RetroN 5はソフトウェアの更新が可能なのだ。互換性に問題があっても、後からシステムを直せばいい、ということになる。

これはゲーム互換機としては今までにないやり方だが、展示品を見ているかぎりは成功しているようだった。

しばらくの間、実機で遊ぶ機会にも恵まれた。ゲームボーイ・アドバンスの「Teenage Mutant Ninja Turtles: Turtles in Time」と「Harvest Moon」をプレイしてみたが、動作にはまったく問題はなく、フィルターがかかっているおかげで、60インチのテレビに拡大された画面も実にキレイだった。

ただし、操作には問題もあった。SNESのゲームパッドを使っていたのだが、これだと「Home」ボタンがないので、RetroN 5のメニュー画面をうまく扱えないのだ。

いくつかの操作の組み合わせでメニューの表示やオプションの設定ができるようになっていたのだが、この組み合わせがかなり分かりにくく、少なくとも直感的に操作できるようなものではなかった。ただしこれも、あらかじめ本体の説明書で確かめておけば問題にはならないだろう。

本体のマザーボードはまだ制作途中のようだが、筐体は完成品らしかった。2色の本体はどことなくSNESやセガ・ジェネシスを連想させる昔ふうのデザインだが、いくつもスロットが並んでいるところが目を引いた。

engad3
SDカードのスロットまで備えていたが、これが実際の製品にもあるのかどうかはHyperkin社のスタッフは答えてくれなかった。ただし、本体をいろいろ改造できる余地があることは、それとなく教えてくれた。

現在のところ、RetroN 5はまだまだ手を入れる必要があり、実際の出荷までにはまだしばらく時間がかかるという。それでも、今年の夏の終わりにはなんとか発売したい、とのことだった。

また、価格は100ドルを切るとのこと。今年のE3に出展されたゲーム機としてはもっとも安価なものであることは間違いない。


Hands-on with Hyperkin's Retron 5: emulating nine classic consoles with help from Android - engadget

スポンサード リンク