RetroN 5にとって、ほぼ初めてのお披露目となったのが、2013年3月に開催された「ミッドウェスト・ゲーミング・クラシック」というイベントでした。ここでは、そのイベントにあわせて、Hyperkin社が自社ブログで公表したRetroN 5の仕様について紹介したいと思います。なお、この情報は2013年3月時点のものであり、変更される可能性があります。
もともとHyperkin社では、既存製品のRetroN 3の後継機としてRetroN 4という製品を準備していました。ですが、開発中に日本のファミコンにも対応させることを決定し、それによって名前も4から5に変わりました。この数字はスロット数を反映しているそうで、ファミコン専用のスロットが新たに増設されたことでRetroN 5となったわけです。
RetroN 5には5つのスロットがあり、それぞれNES、SNES、ジェネシス、ファミコン、ゲームボーイ・アドバンスのカートリッジに対応しています。あわせて、スーパーファミコン、メガドライブ、ゲームボーイ・カラー、ゲームボーイのカートリッジも使用できます。自社開発のチップセットにより、リージョン規制や互換性の問題も回避できます。また、PAL、NTSCいずれのカートリッジも使用できます。目標はあらゆるカートリッジに対して100%の互換性を保つことであり、CICロックアウト・チップやFXチップの問題も克服する課題に含まれます。
本体の前面です。まず電源ボタンがあり、その横にあるのが同期ボタン(sync button)です。同期ボタンを使うことで、1台のRetroN 5に最大4つまでの無線コントローラを同期できます。これにより、マルチタップを使うことなく、マルチプレイヤー対応のゲームをプレイできます。
本体の背面です。通常のAV出力のほか、USB端子(無線コントローラの充電用)、本体電源となるACアダプタ、そして高品位テレビ用のHDMI出力端子があります。
本体の側面です。SNES、ジェネシス、NESのコントローラが接続できる端子が合計で6つ並んでいます。コントローラの使用にはシステムの制約はありません。たとえば、ジェネシスのゲームをSNESのコントローラでプレイすることもできます。
本体付属のコントローラです(1台が同梱)。ブルートゥース接続による無線コントローラで、最大15フィート(4.5メートル)まで有効です。表面に6ボタン、背面に2ボタンあるほか、ホーム・ボタン、2つのマクロ・ボタン、スタート・ボタン、セレクト・ボタンと、(マルチプレイ時の)プレイヤー番号を示すLEDが4つあります。
ホーム・ボタンはさまざまな機能を持ちます。コントローラを本体と同期させたり、またプレイ中に本体インタフェースにアクセスすることもできます。また2つのマクロ・ボタンを使うことでマクロの作成が可能です。
コントローラにはリチウム充電池が内蔵されており、マイクロUSBケーブル経由でUSB端子に接続することで充電できます。
RetroN 5の電源を入れると、最初にインタフェース画面が表示されます。システム・メニューでシステムの選択ができるほか、さまざまな機能にアクセスできます。
保存画面です。RetroN 5では、ゲーム中にいつでも保存が可能です。また、シャットダウン時の自動保存機能も備えています。保存した内容はゲーム中にいつでも読み込むことができます。
RetroN 5では、ビデオ信号を変換することで、より鮮明な映像を実現しています。画面の広さを最大限に活用できるよう、インタフェースでアスペクト比を通常の4:3とHDの16:9のいずれかを選択できます。
音声出力の質も、オーディオ補間技術(audio interpolation)を使うことで大幅に改善されました。これは、デジタルのサウンドを補正することで音質を向上させる技術です。
ボタン割当画面です。RetroN 5では、コントローラのボタンを自由に割り当てることができます。設定は保存できるため、起動のたびに設定しなおす必要もありません。
RetroN 5ではクロックアップの設定が可能です。これにより、ゲームの速度を上げることができます(遅くすることもできます)。クロックの設定はインタフェース経由で行います。また、プレイ中であっても、コントローラのホーム・ボタンを使うことで変更できます。同様に、コントローラのマクロ・ボタンをあらかじめ設定しておくことでもクロックを設定できます。