発売日は言うに及ばず、これといって新しい情報はないのですが、あんまり間が空くのも何ですので、いくつか見聞きしたことを分かる範囲でお知らせします。
2013年07月
古いゲーム機本体を注文に応じてカスタマイズしてくれるサービス 「RETRO MODS」
このところ、イギリスのレトロゲーム愛好者の間で話題になっているサービスがあります。
Hyperkin社の幹部デイビッド・ユー氏に聞く、RetroN 5のセールスポイント
今年の5月と、すこし前になるのですが、オーストラリアのレトロゲームサイトに、RetroN 5の開発元であるHyperkin社の幹部、デイビッド・ユー氏にインタビューした記事が掲載されていますので、以下に訳してみました。
Hyperkins社が久々にFacebookでコメント - 発売時期は今年夏!をあくまで主張したい模様(ただし望み薄)
1か月ぶりくらいでしょうか? Hyperkin社のFacebookページはユーザーが書き込みできるようになっており、以前はけっこうマメに回答をつけたりしていたのですが、ここしばらくは何のレスポンスもありませんでした。
E3レポート 「RetroN 5の実機に触ってきた」その4 Androidでエミュレーションを実現しているらしいという話
今年6月に開催されたE3での、Hyperkin社のブースのレポート、4つ目をお送りします。今になって気付いたのですが、engadgetでもRetroN 5を取り上げた記事がありましたので、以下に要約してみました。
Innex社がNES、SNES、ジェネシスの3機種に対応したゲーム互換機を発表 ただし発売時期は未定
RetroN 5以外にもいろいろゲーム互換機は登場していますが、その中でも新しいものとして、Innex社が5月に発表したThe Super Retro Trio (SRT)というゲーム機があります。これはNES、SNES、セガ・ジェネシスの3機種に対応した複合機です。価格は69ドル99セント。ただし具体的な出荷時期は未定で、今のところ「今年の夏」と告知されているのみです。
互換機といってもいろいろで、粗悪なものも数多くありますが、このSRTは、外観から見るかぎりはなかなかしっかりしたもののように思えます。
本体にはコントローラが2つ、AVケーブル、電源アダプタが付属しているそうです。ただしHDMI端子があるかどうかは分かっていません。
また別売りですが、ゲームボーイ・アドバンス用のROMカートリッジに対応したアダプタもあります。単体で39ドル99セント、本体と一緒に購入する場合は合計で89ドル99セントとのこと。
このSRT、従来の互換機同様、どうもハードウェアでエミュレーションしているようなのですが、それだとどうしても一部に動かないゲームが出てきてしまいます。また、動いてもサウンドやグラフィックが適切に表示されないケースもあります。
ゲームボーイに対応しているのは目新しいところですが、それでもRetroN 5に比べると、あまり面白みのないハードというのが率直な印象です。こういうものでも需要はあるということなのでしょう。
Innex
発売元のサイトですが、発売元のサイトですが、SRTについては近日発売という扱いのままです。
The Super Retro Trio Is Three Classic Consoles In One - kotaku.com
一部のレトロゲーマーは、RetroN 5に対して割り切れない感情を抱いているという記事
RetroN 5のようなハードには、アメリカ人のレトロゲーマーもいろいろとジレンマを抱えているようです。
たとえば、何がなんでも実機という人にとっては、互換機など論外かもしれませんが、ことRetroN 5のような複合機、しかも高品位テレビに対応していたりするようなものは、やはり魅力的なのでしょう。
そうした複雑な心境を率直に表した記事がありましたので、ここに要約してみました。
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レトロゲーム愛好者には、大きく分けて2つの流派がある。
ひとつは、現代技術の便利さを享受することを良しとする人々である。彼らは、オリジナルのゲーム機にはなかった、保存や早送り、巻き戻しといった機能を使いたいと思っている。高品位テレビや無線接続のコントローラで、昔のゲームをプレイしたいと思っている。そしてROMデータを合法ないし非合法な形で入手しては、エミュレータで遊んでいる。
もうひとつが、正統派とでもいうべき人々である。彼らは、実機のゲーム専用機に、本物のROMカートリッジを挿し、本物のコントローラを使い、ブラウン管テレビでプレイすることにこだわる。東京に出張で行くようなことがあれば、中古のツインファミコンをわざわざ買って持ち帰るような人々である。
そして、この両者の中間に位置するのが、このRetroN 5だろう。
RetroN 5は実物のROMカートリッジを使うことができる。しかも、9機種ものゲーム専用機に対して互換性を持っているのだ。その一方で、ゲームの保存やHDMI出力端子といった、現代のゲーム互換機に特有の機能も備えている。こうした要素のすべてを肯定するか否定するかは、その人なりの哲学しだいで決まるとしか言いようがない。
やや重い話になってしまったので、それよりは気軽な話をしよう。
別の問題として、互換性のことがある。たいていのゲーム互換機は、オリジナルのゲーム機をいくらか改良したものを使っている。いわゆる1チップNESと呼ばれるもので、これにより安いコストでNESの互換性を確保できる。
ただし、すべてのソフトが動くわけではない。特殊チップをもつROMカートリッジだと、互換機では動かないことが多いのだ。これまでのRetroNは、かなりの互換性を実現していたが、それでも100%ではなかった。つまり、どうしても動かないゲームもあるということだ。
それでも、昔のゲーム機を使うよりは、問題は少ないだろう。というのも、アメリカで製造されたNES本体は、今ではほぼまちがいなくROMカートリッジのピンコネクタが劣化しており、カートリッジを挿したところで正常に動くかどうかは分からないからだ。あるいは、RFアダプタが故障しているかもしれない。こうした問題も、新品のRetroNなら無縁のはずである。
また、Wiiのバーチャル・コンソールのようなサービスに対しても有利である。あの手のサービスはなにしろ、欲しいゲームがなければ、ひたすら配信を待つしかない。権利関係など、さまざまな事情で配信が不可能なタイトルもある。ところが、RetroNなら、実物のROMカートリッジがあれば遊べるのだ。
個人的には、どうするべきかという意見は特にない。実機だろうがエミュレータだろうが、好きな方を選べばいいと思う。RetroN 5のようなゲーム互換機に対する需要は確かに存在する。リサイクル店で古いハードやソフトをあさるか、さもなくばバーチャル・コンソールを利用するという二者択一から、第三の新たな選択肢をもたらした功績は大きい。
正直いって、判断がつかないのだ。昔のゲーム専用機に対する愛着はあるが、自宅がどんどん狭くなる一方であることの不安もある。古いゲーム機数台ぶんをまとめた互換機というものが人気を呼ぶであろうことは、確かに理解できるのだ。
RetroN 5 and the uncomfortable tension between old and new | Joystiq.com